低線量被ばくで突然変異増えず 福島県内の樹木調査―福島大など 2023年04月07日07時05分 調査に使ったソメイヨシノを眺める福島大の兼子伸吾准教授=5日、福島市 福島大と森林総合研究所は、東京電力福島第1原発事故による低線量被ばくが、福島県内の帰還困難区域などに生育する樹木のDNAの突然変異を増やしていないことを確かめたと発表した。野外の樹木を対象に低線量被ばくの遺伝的影響を明らかにした研究は世界初だという。論文は7日、国際科学誌に掲載された。 巨大地震続発確率、最大96% 南海トラフで3年以内―東北大など 放射線被ばくと遺伝的影響を巡っては、シロイヌナズナに相当量の放射線を照射する実験で突然変異の増加が報告されている。しかし、帰還困難区域の線量は国際機関が定めた低線量被ばくの基準を大幅に下回っている上、野外樹木の突然変異検出は難しく、検証は進んでいなかった。 福島大の兼子伸吾准教授