「勉強」という言葉の意味が今よりずっと狭かったころ、私は勉強が嫌いでした。義務教育の授業についていけないほどで、勉強が嫌いだったから授業についていけなかったのか、授業についていけないから勉強が嫌いになったのか、今でもよくわかりません。そんな子どもの世界に、本という窓があったという話をしようと思います。 勉強も、学校それ自体も苦手で、中学校を卒業してからはフリーターとなって勉強と離れた場所に身を置いていました。一般的な15歳の多くが高校へ進学するなか、学校に行かないという選択をすると、学歴が途絶えるのはもちろんのこと、自分で手に入れようとした情報しか手に入らなくなります。16歳フリーターが何も学んでいなかったのかといえば、それなりに見える範囲で社会を学んでいたと思いますが、得られる情報は高校に通っていた同世代よりも格段に少なかったはずです。私の場合、小説や漫画、インターネットが情報を得るため