学科試験を課さないAO入試を廃止したり、募集枠を縮小したりする大学が相次いでいる。AO入試は、少子化で大学同士の学生獲得競争が激化するなか急増してきたが、さほど受験勉強しなくても大学に入れるため、学力低下を招いているとの指摘もある。入学後、授業についていくのに四苦八苦する学生もおり、大学側の見直しに拍車をかけているようだ。 大阪府立大は8月に2011年度入学者のAO入試を実施したが、今回、工学部の電子物理工学科と知能情報工学科で中止した。このため、同学部のAO入試での募集定員は5学科18人から3学科10人に減った。中止の理由は「AO入試は面接など学生を選考する手間がかかる。それに見合う受験生が質的にも量的にも集まらない」。 9月8日までAO入試の出願を受け付けた鳥取大も工学部4学科のうち3学科で中止。募集定員は12人から5人に減少し、農学部でも18人を16人に減らした。福井大は教育地域