「ドレスシャツの市場縮小は、ある程度仕方ないものと腹を括っていた」――シャツの製造を手掛けるフレックスジャパン(長野県千曲市)の矢島隆生社長はそう話す。フォーマルな場で着用されるドレスシャツは、企業内の服装規定が緩和される、といった影響を受けて国内市場が縮小。さらに日本市場でも通用する品質のドレスシャツを生産する工場が海外で多く登場し、矢島社長は「慢性的に厳しい価格競争に曝される」と頭を悩ませていた。 そうした中、“希望の光”が差し始めた。顧客が自分の好みでパーツを選んで注文する「カスタムシャツ」の需要拡大だ。同社の長野工場に目を着けたのは、米国ベンチャーのOriginal(サンフランシスコ)。シリコンバレーで働くエンジニアの「服を買いに行くのが面倒くさい」という意見から2015年に創業。Webサイト上で袖やボタンなどを自由にカスタマイズできるシャツ「Original Stitch」を展開