『言葉がものすごく邪魔をしている』 黒柳徹子司会の『徹子の部屋』(テレビ朝日)、その毎年最後の回にタモリがゲストとして迎えられるのは、もはや年末の風物詩となっている。12年12月27日の放送でその36回目を数えた番組最多出演者であるタモリだが、初登場時は「森田一義」名義だった。なぜならタモリは当時、まだ一介の素人だったからである。 『徹子の部屋』に招かれるのは実績ある芸能人や文化人、という不文律があると思われるが、当時はまだいい意味でのゆるさがあったのだろうか。 タモリは振り返って笑う。 「あり得ないでしょ? 『徹子の部屋』に普通の面白いおやじが出るって事は、考えられないでしょ」(『徹子の部屋』12年12月27日) そのきっかけは黒柳徹子がたまたま見ていた『アフタヌーンショー』(NET:現テレビ朝日)という昼の生ワイド番組だった。75年8月30日、同番組で放送された夏休み特集「赤塚不二夫の