「青春18きっぷ」は国鉄時代の1982(昭和57)年、「青春18のびのびきっぷ」の名前で発売された。当時の国鉄は累積赤字が大問題で、増収のための苦肉の策という見方も多かった。ところが、発売されてみると、思いきった施策としてメディアから絶賛され、ターゲットであった18歳前後の若者を中心に大ヒットした。国鉄がJRに移行した現在も、年3回の「青春18きっぷ」は大きな収入源となっているようだ。 その「青春18のびのびきっぷ」の初代キャンペーンソングは、なんと国鉄職員が歌っていた。富山車掌区の車掌だったという。赤字の国鉄だからプロの歌手を起用できず、経費削減で歌のうまい社員を使った……のではない。この車掌は当時、全国ネットの音楽番組に毎週出演するほど大人気のシンガーソングライターだった。 「青春18のびのびきっぷ」のキャンペーンソング「青春18」を歌ったシンガーソングライターは伊藤敏博さん。当時26