学会では熱傷治療の醍醐味を伝えます。 ドクターヘリ要請が入った。珍しく下北半島のむつ市の病院からの転院搬送だ。 昨夜入院した重症な熱傷。主治医の話では90%の三度。 尿が出ていない。人工呼吸中。血圧も低下と。 朝になりいくつかの病院に転院を断られ主治医は途方に暮れた。 ダメ元で、八戸救命救急センターに電話してきたのだった。 八戸ERの医師が電話を受けた「いいですよ」。 主治医はビックした。 「ドクターヘリで迎えに行きますよ」。さらに、びっくり。 その日のヘリ番は私。5分後には、離陸した。 八戸市立市民病院救命救急センターでは、重症熱傷治療は救急医が行う。 全身管理と手術とリハビリ。 過去の最高記録は80%三度熱傷の救命だった。 死亡率が高い80%三度熱傷の救命のカギは、 自分の皮膚を培養して、植える。 わずかに残っている皮膚からだけでは植皮が足りない。 そこで、皮膚を培養する。 むつ市の病