「カープ応援できる平和に感謝」――。8月6日の広島原爆の日、新聞各紙のテレビ欄に掲載された中国放送のメッセージが話題を呼んだ。広島対中日の野球中継を伝えるごく普通の紹介文かと思いきや、行の先頭の文字を「縦読み」すると、平和を祈る言葉が浮かび上がる粋な趣向だ。ネット上では「感動した」「朝から泣かせんでくれ」と反響が広がった。 文言を考えた中国放送スポーツ部の桑田晋吾ディレクターは「戦後の広島の復興はカープとともにあった。1年に1回の大切な日なので、広島の放送局で働く人間として、平和というキーワードを盛り込めないか頭をひねりました」。 「縦読み」の元祖は、北海道放送だとされる。日本ハム戦中継の認知度を高めようと、2010年にスタート。今年も「ありのままのハムを見せるのよ」(7月30日)などの傑作を生み出した。まず縦のメッセージを決め、それに合わせて横の文章を組み立てるのだという。スポーツ部