ブログで活動を開始したのが2007年12月。 あれから13年が経過しました。 2020年、何をやっているか、どんな世界に生きているか ――当時からは想像できなかったような時代に生きています。 日常はいとも簡単に壊れてしまうこと、 当たり前のように存在しているわけではなかったことを、 今まさに現実として目の当たりにしています。 18年前、米国で大切なひとときを一緒に過ごした師匠のひとり、 Robert B. Taylorさん。 www.amazon.com 家庭医であり、著名な名誉教授ですが、 日本からやってきたぼくに 最も伝えたかった言葉。 「仕事ばかりしていないで、家族と過ごしなさい。」 今でも時々思い出します。 ちょっと意気がっていたぼくの頭を、 冷ましてくれていたのでしょう。 あちこちを転々としながら働いてきた、この13年という年月。 この教えを生かすことができたのか、自信がありませ
電話初診の解禁 一般診療における制約 利用者の意識改革 医療依存から離脱する好機になる 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大によって、社会全体が大きく変革しようとしています。ひとつの時代が通り過ぎたようです。 医療の姿も大きく変貌しました。ここでは、診療所における診療の変化について、書いておきたいと思います。 電話初診の解禁 2020年4月、電話による初診患者の診療が初めて認められました*1。これまでは直接診察せずに診療する行為は禁止されていましたから、緊急的な措置とはいえ画期的な変化です。 迅速な判断、ありがとうございました。 このことによって患者の利便性が向上しただけではなく、COVID-19(疑いを含む)患者が医療機関を受診することを、ある程度回避することができました。 反面、電話問診のみでは適切に判断できない、という声もあります。診断の誤りやマネージメントの失敗などが
アリセプトの効果は幻だった? メタ分析(Birks, 2018年)*2 認知機能に差はなく害がある 死亡が少なくなるかもしれない 後ろ向きコホート研究(Mueller, 2018年) *6 総死亡が23%少ない 先行研究では 認知機能はあまり改善しないが寿命は伸びる アリセプトの効果は幻だった? 認知症の人アセチルコリンエステラーゼ阻害薬を服用しても、認知機能改善効果は小さいことがわかっています*1。 ドネペジル(商品名 アリセプト)については多数のランダム化比較試験が発表されていますが、代表的な研究をひとつご紹介しておきましょう。 メタ分析(Birks, 2018年)*2 研究の概要 アルツハイマー病患者がドネペジルを12週間以上服用すると、プラセボに比べて認知機能(ADAS-Cog*3またはMMSE*4)、ADL、QOLが改善するか、有害事象が多いか、などを検討したランダム化比較試験の
健康診断で最終目的が達せられているか メタ分析(Krogsbøll, 2019年) *1 健康診断の効果について再検証を 病気は「早期発見、早期治療」がいい。 日本で長らく親しまれてきたこのスローガンは正しくなかったかもしれません。 最近の科学的検証によると、健康診断の効果に関する科学的根拠は揺らいでいるようです。 健康診断で最終目的が達せられているか 健康診断は心血管疾患やがんによる死亡、さらにはあらゆる原因による総死亡を少なくすることを目的に行われています。健康診断でそのような目的が達成されるのかを検討した研究は多数あります。 ここで「病気が発見できるか?」ではないことに注意が必要です。 ぼくらが知りたいのは、病気が発見された結果として「死亡が本当に予防できているのか?」という健康診断の最終目的が達成されているかどうかなのです。 こうした研究のうち、一定の基準を満たした質の高い研究(ラ
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