十和田市の市立中央病院で今春、60歳の男性が研修医のスタートを切った。ことしの医師国家試験に最高齢で合格した水野隆史さんだ。異色の新人は「へき地の医療に貢献したい。最低30年、死ぬまで働く」と力を込める。 福井県出身の水野さんは東大農学部卒の元農水官僚。2009年に金沢大医学類の学士編入試験に合格した。14年春に大学を卒業し、国家試験は2度目でパスした。 医師を志すきっかけは、金沢市の北陸農政局に赴任した10年前、50代の女性が医学部に受かった新聞記事だった。19歳の時父親を病気で亡くし、医師という職業に関心があった。仕事をしながら、毎日午前3時に起きて受験勉強した。
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