矢吹 拓氏 (国立病院機構栃木医療センター 内科医長) 青島 周一氏 (徳仁会中野病院/薬剤師) 徳田 安春氏 (地域医療機能推進機構 本部顧問)=司会 北 和也氏 (やわらぎクリニック 副院長) 自宅で転倒し大腿骨頚部骨折を受傷して入院した患者さんの持参薬を確認すると,複数の医療機関から処方された薬剤が10種類以上に及んだ。内服薬には,転倒リスクが高まる睡眠薬や複数種類の降圧薬が含まれていた――。日常診療でしばしば遭遇する事例ではないだろうか。 多剤併用および不適切処方に対する認識は急速に高まっており,ポリファーマシー(MEMO)に関する論文報告が増えてきている。本座談会では,かねてよりこの問題に取り組んできた医師・薬剤師らが,ポリファーマシーの実態と背景,効果的な介入策を探った。 徳田 日常診療において,ポリファーマシーの実態はどうでしょうか。病院総合内科医の立場で,矢吹先生からお話し