<新型インフルエンザの現状と対策>岡部信彦氏(1/10) メキシコから世界中に広がった新型インフルエンザは、日本でも感染者が確認されるなど拡大の勢いは強まっており一層の警戒が必要です。厚生労働省の新型インフルエンザ専門会議の議長を務める岡部信彦・国立感染症研究所感染症情報センター長が、5月8日に日本記者クラブで行った現状と対策についての講演内容を掲載します。(あらたにす編集部) ◆パンデミックかどうかが問題 北米に端を発した今回の新型インフルエンザは、(猛威を振るった鳥インフルエンザのような)H5型ではありませんでした。これは、安心材料ではある一方、気を緩めてよいというわけではないのです。 最初にインフルエンザの定義を説明しますが、パンデミック(大流行)と区別するために、季節の、いつものインフルエンザ、Seasonal influenza virus、というものがある。これは人の