橋本さんはPC88でのスクロールに拘っていたのは、今まででわかるけれど、一つの到達点が『イースⅢ』の多重スクロールだ。 でも、どうしてそんなに多重スクロールにあこがれたのか? 80年代はアーケードがゲームの王様で、家庭用より遥かにパワフルだったけれど、大きな違いの一つが多重スクロールだった。 82年ぐらいまではアーケードでも多重スクロールはほぼなかったのだけど、82年の後半あたりからボツボツ並び始め、83年ごろになると多重スクロール(BG面2枚+ラスター)ぐらいは当たり前になっていく。 家庭用でもそれに憧れて、ラスタースクロールなどを駆使して多重スクロールっぽく見せるのが流行するわけだ。 そして橋本さんももちろん多重スクロールに対するあこがれがあり『イースⅢ』を作る。 この技術の基本は『イースⅡ』の鐘つき堂からやってきているのは確かだけど、鐘つき堂には敵はいないし、スクロールも単純だ。 P