最先端の哲学の議論を用いて身近な物事について考える——。 そんなスタイルの哲学入門書『世界最先端の研究が教える すごい哲学』(総合法令出版)が刊行されました。 たとえば、マッチングアプリに「嫌いなタイプ」を書き込むことは差別にあたるのでしょうか? 大阪大学特任助教の長門裕介さんが倫理学や哲学の議論を参照しつつ考えます(本記事は同書の一部を抜粋、編集したものです)。 マッチングアプリでの人種差別 近年、Tinder(ティンダー)やPairs(ペアーズ)といったマッチングアプリの利用者が日本でも急激に増加していると言われています。この傾向は世界的なもので、すでにアメリカでは18~29歳の48%がマッチングアプリを利用した経験があるという調査もあります。 マッチングアプリを巡る問題の中でよく議論されるのは、人種差別を巡る倫理的問題です。残念なことに、世界の各地ではいまだに様々な差別がありますが、
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