美や美に類する価値を経験すること。広くはこの価値をつくりだす活動としての芸術創作をも含むが、一般的には観照をさすことが多い。そして美的観照経験は、自然美を対象とするものと芸術美を対象とするものに大別されるが、西洋の美学は芸術美を主たる対象としてきた。 [小田部胤久] 美学における美的経験論の由来美的経験は普遍的な現象であるが、つねに学問的反省の対象となっていたわけではない。古代ギリシア以来、美についての反省は、プラトン主義的伝統の下では美しい存在に、アリストテレスの『詩学』の伝統の下では芸術作品の制作過程、とくにその規則に向けられていた。美的経験が美学の中心課題となったのは、哲学における経験主義の台頭に伴って、美が知覚・経験との関連で考察される近世以降のことである。 [小田部胤久] 美的判断の美学18世紀啓蒙(けいもう)期の美学によれば、美はそれをとらえる能力としての趣味によって美しいか否
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