背板がY字形にデザインされた椅子「Yチェア」の立体商標登録を巡り、製造元の家具メーカー「カール・ハンセン&サン」(デンマーク)の日本法人が、登録を認めなかった特許庁の審決取り消しを求めた訴訟の判決が29日、知財高裁であった。 飯村敏明裁判長は「約60年にわたって特徴的な形を変えずに販売され、一般に広く知られている」と述べ、審決を取り消した。判決が確定すれば、同庁は審決をやり直すことになる。 同社によると、Yチェアは全世界で70万脚以上を販売。同社は日本で「Yチェア」の名称を商標登録し、その後中国製の模倣品が出回ったため、2008年2月に立体商標の登録を出願した。だが特許庁は昨年6月、「他社の商品と識別できない」と認めなかった。