■考察 □日本の著作権政策形成を考えたときに、改正をするために望まれる活動 著作権法の全面改正を行う、または、意見集約が難しい著作物の利用者や小規模なクリエーターにとって利便性のある改正を行うためにどういう手段があるのだろうか。今研究大会で得られた知見を基に、次の3つを簡単に考察する。 1)著作権の政治イシュー化 2)条約・現行法との整合的な代替案の提案、懸念点の払拭 3)立法事実の「見える化」 □1)著作権の政治イシュー化 京報告や討論で行われたように、現行の選挙制度の下では、著作権が政治的なイシューとなることは容易ではない。著作権法の全面改正が現行の政策形成過程の下で行われるためには、他の政治家とは異なる事情(選挙に強く、かつ、著作権問題に関心があり、かつ、政治的に有力である)を持つ政治家が登場することを待つしかない。ただ、すでに関心を持つ議員は与野党にいる。今、著作権に関心を持ってい