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ブックマーク / blog.a-utada.com (50)

  • 日本のネットはなぜかくも匿名志向が強いのか: 歌田明弘の『地球村の事件簿』

    誰が読むのかわからないブログや掲示板などでは、 匿名が当たり前になった。とはいえ、日の常識が 世界の常識かといえば、かならずしもそうではない。 ●アメリカのブログは実名が多数派、日は匿名が9割 5月26日に発表されたインターネットコムと goo リサーチの調査によれば、ブログ作成経験者のうち実名を公開している人は6.62%に過ぎず、それ以外はみな匿名だったという。 この調査はgooで募集した人たちが対象だから、実名でブログを書いていることが多い芸能人やライター、専門家などはほとんど含まれていないだろう。実際よりは匿名の割合が高いと思われるが、日のブログの大半が匿名なのは確かだ。 これが世界的にも標準かというと、そうではない。MITのメディアラボで博士論文を書いたファナンダ・ヴィエガスの04年の調査では、英語でブロ グを書いている人の55パーセントが実名、それ以外の人も20パーセントは

  • われわれはみな「隠れオウム」の容疑者: 歌田明弘の『地球村の事件簿』

    有力ブロガーがオウム真理教の信者だとわかった。 その人物への4時間にわたるインタヴューが、 ネットに掲載されて、話題を呼んでいる。 ●暴かれたオウム信者のブログ 松永英明氏は、オウム真理教内で編集の仕事にかかわり、オウムの出版社の社長を務めたりしながら、その事実を秘して精力的にブログを書き、有力なブロガーの一人と見られていた。一般の出版社からも何冊もを出している。 そのうちの一冊は私も読んでいた。きちんとしたで、有能なライターのように感じられた。 それだけに、フリージャーナリストの野田敬生氏の追及で、オウム真理教の信者だったとわかったときにはびっくりした。 暴かれたその素性は、ネットのディープな情報に通じている人々にはさらに驚くべきものだった。 松永氏は、96年から2000年まで「河上イチロー」という名前で、公安や内外の政府の諜報活動について異様に詳しいサイトを作っていた伝説的な人物だ

  • 「マンション購入者・自己責任説」はなぜ生まれたか: 歌田明弘の『地球村の事件簿』

    イラク邦人人質事件から、拉致被害者家族への バッシング、こんどのマンション偽装設計まで、 希望格差社会の住民の不思議な心性が見えてきた ブログ記事とコメント欄との葛藤 公的資金の投入が決まって以後、耐震偽装のマンションに住んでいる住人に対するプレッシャーが強まっているらしい。 たとえば、偽装設計マンション住民のブログ『「揺れるマンション」顛末記』のコメント欄には暴言があふれていた。支援のために税金が使われるのが不満で、八つ当たり的に攻撃しているようだ。 これまでの震災のときには、政府は頑なな態度をとってきた。それなのに今回は何だという感情が反発に輪をかけている。 当然ながら、政府だって、根拠なく 税金を使おうとしているわけではない。行政に責任があると認めたからこそ決めたわけで、そもそもそう判断したのは政府で、被害者住民に責任があるはずはな い。 当たり前のことのようだが、右のブログのコメン

  • ネットの世界はグレーなことばかり──検索結果表示のゆくえ: 歌田明弘の『地球村の事件簿』

    歌田明弘の『地球村の事件簿』 週刊アスキー連載「仮想報道」などの原稿のアーカイヴやリンクが中心です(詳しくは「プロフィール」参照)。編集部との話し合いで、週刊アスキーの原稿は発売後、次の金曜日以降に公開することになっています。つまり、実際に書いたのは公開日の2週間ほど前です。 ●儲かることはわかっているけれど‥‥ グーグルは、昨年、グーグル・プリントと名づけた新しい検索サービスを開始した。 これはの横断全文検索で、検索ウィンドウに言葉を入れてサーチすると、 その言葉が使われているを見つけてくれる。選び出されたのリストからクリックすると、該当個所が黄色くマーキングされてのページが表示される。タイ トルや著者名、表紙、目次、索引なども見ることができ、該当個所の前後2ページが読める。つまり、ウェブ上での「立ち読み」ができる。オンライン書店の リンクが並んでいるので、それをクリックすれば

  • 決着のついたリンク見出し是非裁判: 歌田明弘の『地球村の事件簿』

    当たり前のようなことが当たり前でないネットの世界。 ニュース記事のリンク見出しは許されるのか。 確定した「世紀の裁判」(?)の判決の詳細は? ●逆転判決で見出しの自由な利用は許されず ウェブサイトで、「記事見出しを表示してリンクを張る」というのはあたりまえのようにやられていることだけど、著作権法上、天下晴れて認められているとは、かならずしも言えない。 2年ほど前に実際に、ある新聞社がリンク削除の要求メールをいくつかのサイトに送り、ネットで大騒ぎになったことがあった。新聞社のリンク・ポリシーを調べて、必要ならば許可を得れば、法的な問題はクリアされる。しかし、少なくとも個人サイトのレベルで、そうした手間をかけている人はほとんどいないだろう。 10月6日、記事見出しの著作権について知財高裁の判決が出た。原告も被告も控訴せず、判決が確定した。今後の指針になる判決かと思い、判決全文が掲載されている裁

  • もうテレビはいらない?

    このままでは放送のデジタル化が失敗しかねないと 総務省も感じ始めたようだ。 その結果、テレビとネットの融合が格的に始まるかもしれない ●大きな起爆力を秘めた方向転換 先週号で取り上げたように、民放各局がまるで示し合わせたかのように相次いで、ネットでのテレビ番組のオンデマンド有料配信を始めることを発表した。それによってテレビとネットの融合が一歩進むかもしれないみたいなことを書いたけれど、実際のところ、すでに流した番組を有料で見せる程度で「テレビとネットの融合」というのは、ちゃんちゃらおかしい、というぐらいのものでしかない。これしきのことで、テレビのありようが大きく変わったりはしないだろう。 ところが、7月29日に総務省が発表した、情報通信審議会の第2次中間答申どおりになれば、テレビとネットの関わりは根的に変わるかもしれない。この答申は、パソコンが格的にテレビを見る装置になり、放送と通信

  • 続「2ちゃんねるの時代は終わった」: 歌田明弘の『地球村の事件簿』

    ネットの一部でお騒がせしてしまったコラムの後日談であると同時に、 今年相次いでが出た注目の研究者たちのネットや日社会についての議論を見る ●ネタになればなんでもいい? 昨年の暮れ、この欄で、「2ちゃんねるの時代は終わった」というタイトルで、グローバル・コミュニケーション・センターの研究会の議論を紹介したら、当の2ちゃんねるなどでちょっとした騒ぎになった。「2ちゃんねる嫌い」の人たちによる「2ちゃんねる たたき」の議論と見られて反発を呼んだようだ。 この研究会での議論は、2ちゃんねるを誹謗するのが目的でも、ましてや2ちゃんねるが好きか嫌いかはまったく関係なく、2ちゃんねるがかつてほどのパワーがなくなったということでしかなかったのだが、「2ちゃんねるの時代は終わった」というこのコラムのタイトルのせいもあってか、そういう雰囲気が生まれてしまったようだ。 しかし、この討議に加わった研究者たち

  • はてなダイアリーがテロを撲滅する?: 歌田明弘の『地球村の事件簿』

    何がテロを生み、防ぐにはどのような方法があるのかを考えていくと、 意外な人気サイトの機能がとてもおもしろいものに思えてきた ●テロリストを生まない方法 懸念されていたイギリスで、同時テロが起こった。アルカイダ系の組織の犯行のようだが、実行犯は往復切符を買って談笑しながら電車に乗っており、自白しないようにだまされて自爆させられたのではないかという推測もされている。ともかくいまやアルカイダというのは、特定の組織の名前というだけではないようだ。自分でアルカイダだと言えばアルカイダなのだという説もあるし、もともとアルカイダとして認定されていなくても、テロをやってその「業績」が認められれば、資金があとから提供されてアルカイダになるのだという話もある。ようするに、いつ誰がアルカイダのテロリストになるのかわからない、ということなのだろう。 ではどうやって人はテロリストになるのか。 もちろん決まったルート

  • 日本でも図書館の全蔵書のデジタル化は始まるか?: 歌田明弘の『地球村の事件簿』

    歌田明弘の『地球村の事件簿』 週刊アスキー連載「仮想報道」などの原稿のアーカイヴやリンクが中心です(詳しくは「プロフィール」参照)。編集部との話し合いで、週刊アスキーの原稿は発売後、次の金曜日以降に公開することになっています。つまり、実際に書いたのは公開日の2週間ほど前です。 グーグルの新しいプロジェクトについて友人の編集者と議論した。以前書いたように、グーグルは、英米の大きな大学の図書館の蔵書延べ1500万冊以上をスキャンして電子化する。利用者はネットで検索して著作権の切れたものは全文を、著作権のあるものは出版社が認めたは該当個所の前後2ページ、そうでないものは数行を1冊につき3個所まで表示する。課金して全文アクセスすることもできるようになるだろうから、これでのデジタル時代が一挙に幕を開けるのではないかと、先月、私はいささか興奮気味で原稿を書いた。しかし、議論をした友人は、のデジタ

  • 民放の広告モデルが崩壊するとき: 歌田明弘の『地球村の事件簿』

    ニッポン放送株をめぐるライブドアとフジテレビの 争いはメディアの大きな変貌の中の一挿話と 見るべきだろう。変化が起きるのはこれからだ。 ●怪しさ満載で理解されないホリエモン うーん、怪しい。外国投資銀行が暗躍して、新興ネット企業が株を買い占めメディアを乗っ取ろうとしている‥‥ あらためてこう書いてみても怪しさ満載だ。ライブドアは、株を高騰させて売り抜けるのか、何か魂胆があるに違いない。フジサンケイグループの出来事を明日は我が身と思ったテレビ各局はこぞってホリエモンを呼び出して執拗に問いただす。なかには初めから糾弾するつもりで呼び出したとしか思えないニュース番組まであった。 しかし、このやり方はあまりにヘタだ。「既成メディアがよってたかって新興企業の若い社長をいじめている」としか見えない。ホリエモンの思惑を暴こうとばかりに居丈高の質問を繰り返せば繰り返すほどそう見えてくる。まるで、ホリエモン