環太平洋連携協定(TPP)をめぐり、学校給食に地元食材を使う地産地消への影響が懸念されている。多国籍企業から「自由競争の妨げ」と訴えられる恐れがあるからだ。TPP反対派は「関税撤廃より、日本の法律や制度の改廃を迫られることが本質的な問題」と警鐘を鳴らす。(段 貴則) 農林水産ビジョン2020で「地産地消・県産県消」の推進を掲げる兵庫県。農林水産業の活性化などの点から積極的に取り組む市町は少なくない。 宍粟市は、学校給食用の米や野菜に占める市内産の割合(重量ベース)が7割を超える。全国地産地消推進協議会が主催する本年度の地産地消優良活動表彰(地域振興部門)では、農林水産大臣賞を受賞した。 政府は2015年度までに、給食に使う地場農産物の利用割合(食材ベース)を都道府県平均で30%以上とする方針を示している。 ところが、こうした取り組みが「TPPで、ことごとく覆されかねない」(宇都宮健