9月1日、世界的医学雑誌『ランセット』が「国民皆保険達成から50年」と題した日本特集号を発刊しました。200年近くに及ぶ長い歴史を誇るこの医学雑誌において、先進国単独で特集が組まれたのは日本が初めてです。 アメリカのオバマ大統領が現在導入しようとしている国民皆保険制度を、日本は50年も前に達成し、平均寿命などの健康指標は世界トップレベルです。その上、日本の医療費は国内総生産(GDP)のわずか8.5%程度と米国の半分に過ぎず、低コストの医療を実現しているのです。 日本の医療が、グローバルヘルスにおける世界のリーダー的存在と認められ、特集号が発行されたのは、日本人として誇りに思うべきことです。 しかし、私はこの快挙を手放しで喜ぶ気持ちになりません。 なぜならば、日本の医療は国民の健康水準を大幅に改善して、世界一の長寿国を達成し、なおかつ医療費も安く済んでいるにもかかわらず、日本人の日本の医療に