これまで11月13日、12月4日の2回にわたってトランプ政権に対する科学界の懸念について書かれた科学紙の記事を紹介してきた。 なぜこれほど科学者が心配しているかというと、彼が科学技術予算を減額するのではと心配しているからではない。彼の言動から伺える思想が、科学者一般の考え方とかけ離れているため、本能的に相容れないところがあるからだと思う。私自身も彼の一言一言に恐怖感すら感じる。そこがトランプラリーと浮かれている経済界の人たちと根本的に違う点だろう。 そして極め付けともいえる恐ろしいトランプの行動が、モントリオール在住のフリーランスの記者Owen Dyerさんにより、12月5日付のThe British Journal of Medicine紙で明らかにされた(BMJ 2016;355:i6545 doi: 10.1136/bmj.i6545)。 タイトルは「Andrew Wakefield