ハイテクを駆使した映画編集スタジ オや、客でにぎわうレストランが所狭しと並ぶロンドンのクリエーティ ブ拠点、ソーホー地区。そこにオフィスを構えるニック・ジョーンズ氏 は、世界展開を企てる男のようには見えない。だが、世界のエリートに 自身の「クール」というコンセプトをいかにして広めようかと構想を練 っているのは、紛れもなく彼だ。ブルームバーグ・マーケッツ誌10月号 が報じた。 擦り切れたジーンズにグレーのTシャツ、ファスナー付きの青いト レーナーを着たジョーンズ氏は、自身が運営する会員制クラブ「ソーホ ーハウス」に集まる流行に敏感で肩の力が抜けた人々と近い風貌だ。同 氏が1995年にロンドンで設立したソーホーハウスは、それ以降、ニュー ヨークとマイアミビーチ(フロリダ州)、ウェストハリウッド(カリフ ォルニア州)、ベルリンに進出した。 ジョーンズ氏(49)のオフィスにはすでに営業中の10店の