本作の核となるスジは、 「かつて自分を救い、善き教えを施してくれた憧れの人が、じつは悪意にまみれたゲスな外道で小悪党で自分をていよく欺いていただけだったと分かったとき、誤解にもとづいていた好意と敬意はどこへ向かうべきか」 という次第で、よーするに幻滅が生む負の感情をいかに処するかという、突き詰めるとひじょーにヘビーでめんどくさいトピックに、少年漫画らしい愚直な(だから美しくもある)語り口で取り組んでいるんですな。 本作のゲストキャラの場合、ナルトの励ましによって「師匠の悪しき実体と意図」への憎しみをパージして、「師匠の教え」のみをうまく(再)内面化して救われました。ここがよかった。 実体に抱いていた幻想は破られた、つまり幻滅した。 しかし、幻が消えたがゆえにこそ際立つ「受け取ったそのもの」の真実というものがある。 人から人へ伝わるものというのは、当初の発信者に悪意があっても、たとえハッタリ