30ドル台半ばから本格的な価格上昇に転じた2004年春当時の水準に近づき、4年余りにわたる原油高騰局面は終息しつつあるようにみえる。この間、値上がりは原油需給の基礎的条件を反映していないことを一貫して主張した石井彰氏にインタビューした。同氏は旧石油公団の業務を承継した石油天然ガス・金属鉱物資源機構の主席エコノミストで、140ドルを超えた原油上昇は「基本的にはバブルだった」と指摘する。100ドル超の高騰が再燃する可能性は「少なくとも10年くらいはないのではないか」と語った。 インタビューの主なやり取りは以下の通り。 ──WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート=米国産標準油種)先物は40ドル台前半で推移している。今年7月につけた史上最高値の147ドルから半年余りで100ドル以上の急落だ。 「原油相場は基本的にはバブルだった。2004年には(中国での石油需要急増で)若干の原油需給ひっ迫