1954年の映画『ゴジラ』*1は、同年に起きた第五福竜丸事件の便乗作品である。原型となる様々な企画が先行してあったが、事件をきっかけとして実際に映画化へ動くこととなった。 そして娯楽作品として1933年の映画『キングコング』と1953年の映画『原子怪獣現る』からの影響が色濃いことは論をまたない*2。特に『原子怪獣現る』との類似は、現在ならば盗作あつかいされてもしかたがないほどだ。 低予算で制作された『原子怪獣現る』の興行が成功して以降、核兵器の影響によって巨大生物が暴れまわる映画が続々と作られていったが、たいていは生物の種類で変化をつけていた。恐竜*3が市街地で建造物を破壊するという見所をそっくりいただいた『ゴジラ』は、独自性が少ないといえる。さらに『原子怪獣現る』の原題である『The Beast from 20000 Fathoms』は、『ゴジラ』企画時の仮タイトル『海底二万哩から来た大