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ブックマーク / hokke-ookami.hatenablog.com (11)

  • そして盗作怪獣だったゴジラはオリジナルと出会った - 法華狼の日記

    1954年の映画『ゴジラ』*1は、同年に起きた第五福竜丸事件の便乗作品である。原型となる様々な企画が先行してあったが、事件をきっかけとして実際に映画化へ動くこととなった。 そして娯楽作品として1933年の映画『キングコング』と1953年の映画『原子怪獣現る』からの影響が色濃いことは論をまたない*2。特に『原子怪獣現る』との類似は、現在ならば盗作あつかいされてもしかたがないほどだ。 低予算で制作された『原子怪獣現る』の興行が成功して以降、核兵器の影響によって巨大生物が暴れまわる映画が続々と作られていったが、たいていは生物の種類で変化をつけていた。恐竜*3が市街地で建造物を破壊するという見所をそっくりいただいた『ゴジラ』は、独自性が少ないといえる。さらに『原子怪獣現る』の原題である『The Beast from 20000 Fathoms』は、『ゴジラ』企画時の仮タイトル『海底二万哩から来た大

    そして盗作怪獣だったゴジラはオリジナルと出会った - 法華狼の日記
  • かくもブラックな沖縄独立論 - 法華狼の日記

    まず、徴兵制導入の話題について。私のエントリ*1へ直接に向けたのではなく、はてなブックマークへの言及だが。 具体性に欠けすぎていて、誰にどのように反応してほしいのかわからない。Togetterに登場し、なおかつ過去に似た主張を行なっていた人に、何となく思い当たらないわけでもないが。 私に対する反応ではないが、対象になっているTogetter*2と対するはてなブックマークへのコメントも、ついでに難点を指摘しておく。 Togetterの争点は、単純に徴兵制へ反対するか賛同するかではなく、自民党のふるまいが徴兵制導入に繋がる懸念があるか否かだろう。 より狭く、[twitter:@Hideo_Ogura]氏の主な争点に限定するならば、徴兵制導入の懸念を軍事的合理性という論点から否定できるか否かだ。Togetterで最初に使われている下記ツイートで示されている。 しかも、同じように徴兵制に反対してい

    かくもブラックな沖縄独立論 - 法華狼の日記
  • 自民党と徴兵制について少しまとめ - 法華狼の日記

    「軍の音が聞こえる」という声は時たま幻聴 - 法華狼の日記の続報みたいなもの。 合理的でないから導入されないという立論は、非合理的な制度も導入されうるという[twitter:@Hideo_Ogura]氏の指摘に対して無意味。そもそもが合理的とは思えない憲法改正草案が発端なのだから。 だから、今のところは表立って主流にはなっていない、少なくとも憲法改正草案に直接は書いていない、といった論にとどめるべきではないのか、とid:JSF氏に対しては思う。 また「徴兵制の導入」か? - Togetter ブッ RT @akahataseiji 自民党の「憲法改正草案」には、「徴兵制」の文字は出てこない。しかし、「国と郷土を誇りと気概を持って自ら守り」とか、「国は、主権と独立を守るため、国民と協力して」という記述は、「徴兵制」導入を前提とする規定だという赤旗政治部の担当記者の分析。 obiekt_JP

    自民党と徴兵制について少しまとめ - 法華狼の日記
  • 日本アニメ美術論壇の誕生 - 法華狼の日記

    はじめに 大きく出たエントリタイトルだが、あくまでアニメ視聴者側が知ることのできる一般常識にとどまる内容にすぎないことを断っておく。私は素人としてもアニメの背景美術にくわしくないので、もっと広く深い知見を持つ人からの批判や反論も待ちたい。 主な話題は、アニメでなぜ人物画と背景画がなぜ乖離して見えるのかという、下記の意見について。 彼女の顔には細部がない・・・アニメの中の描写の落差について - ohnosakiko’s blog 写真から起したような写実的な水彩画風に描かれた街や自然の中に、ベタ塗りアニメ絵のヒロインという図は、ジブリに限らずよく見る。背景と人物の描写のレベルがわりと一致しているので今思いつくのは大友克洋や今敏だが、全体からすると少ないのではないだろうか。 だがそもそも、今のように「美術」にあらん限りの工夫と技術が傾注されていなければ、人物の顔に細部が存在しないなどということ

    日本アニメ美術論壇の誕生 - 法華狼の日記
  • 『魔法少女まどか☆マギカ』雑多な感想 - 法華狼の日記

    最終回まで見終えて、ほぼ納得がいった。 主人公の願いは、いわゆる願いを無限に増やすとか全ての希望をかなえるとかの禁じ手に近いとか、物語としては御都合主義に近いと感じる人もいるかもしれない。しかし願われた言葉は一つだけであって、影響の範囲も無制限でもない。きちんと作中で示されてきた法則に従った上で、予想外の展開に導き、物語を閉じた。 魔法少女によって成り立っている社会においては、魔法は普及した技術や能力にすぎない。SF設定が魔法の背景に示唆されている作品ならば、なおさらだ。普及した技術や能力とは異なる法則外の能力を使う存在……つまりは来の魔法少女が持つ立ち位置についたのは主人公だけ。ここで作品タイトルが意味を成す。 虚構の法則を最初に提示し、その法則を延長し発展させて新たな世界観*1を作り出した結末は、SFが根に持つ楽しみと近い。宇宙の法則に説明のつかず不思議と好都合な領域が存在するとい

    『魔法少女まどか☆マギカ』雑多な感想 - 法華狼の日記
  • アニメ監督別「原発事故をどう解決する」 - 法華狼の日記

    SF作家別「原発事故をどう解決する」 - Togetter 高畑勲「現代社会が原子力を必要としている限りは絶対に解決しない」 宮崎駿「普通に解決していると一般客に思わせるが、OnYourMarkに続いている」 富野由悠季「主人公が監督の内面を口寄せして叫んでいる内に、何となく解決している」 高橋良輔「雰囲気ミリタリズムが充満した解決法模索の果てに、発電所地下の異文明遺産が発動して解決」 出崎統「東電職員の悔恨と、自己を肯定しようと下請けであがくドヤ街住人のドラマが濃密に描かれる」 高山文彦「解決はするが、その過程で自己犠牲をしたりしいられた人々は犬死プギャー」 河森正治「わりと現実的に解決したかと思ったら、なぜか結末で急に危機におちいり、やはり急に奇跡で解決」 板野一郎「寝ている間に凌駕して解決」 今 敏「ラストカットは生きものの記録パロで、全ては放射線恐怖症患者の見ている悪夢だった」 山

    アニメ監督別「原発事故をどう解決する」 - 法華狼の日記
  • 日本は「重武装」のコスタリカに学ぶべき - 法華狼の日記

    初音ミクがコスタリカで人気が上がっている理由について、クリプトン社の伊藤博之代表取締役が現地の声をツイートしていた。 中米コスタリカで、「初音ミク」の人気が上がっている理由 - Togetter しかし、これらの理由に対して、コメント欄で複数の批判があった。 『軍隊を廃止している』っていっても警察と警備隊が軍隊並みの武装で、米軍基地とかで教育うけたりしてるんじゃなかったっけ?警察が対戦車砲持ってたと思ったけど…米州相互援助条約もあるし、米軍がなかったらもっと武力が必要になってると思うけど… でもまぁ、ミクが受け入れられるのはなんだか嬉しいなぁ fio_fen 2011-01-19 10:52:11 コスタリカには軍隊がなく、日以外で唯一平和憲章を持つ国。←この電波さえなければ、またとない日のソフトパワーは世界一ィィ!なまとめだったのに。まさに「余計な一言」 kamille_a 2011

    日本は「重武装」のコスタリカに学ぶべき - 法華狼の日記
  • 「アニオタ保守本流」からチャンネル桜に出演したという話 - 法華狼の日記

    順調に「保守」の論客として出演の場を広げているようで、何より。しかしチャンネル桜は「保守流」ではなく、傍流や異端もいいところだと思うのだが。 チャンネル桜に出演しました!【古谷経衡】日韓のこれから NHKのこれから[桜H22/8/25] - アニオタ保守流 番組の裏舞台、カットされた部分以外に、もののけ姫、アニメンタリー決断の話、若者の保守化は嘘!若者は中道化している!、若者は真実に気付き始めている!、『新しい中道』を目指そう!の話もしました! 主張に対しては興味がわかなかったが、網野史観を背景にしている映画『もののけ姫』をチャンネル桜でどう語るのかは気になったので、エントリに張られたYOUTUBEを見ることにした。 前半のほとんどはaniotahosyu氏がエントリとして先日から提示していたものと同じで、内容に新味はない。アニメにからめた話が始まるのは16分くらいから。 まず、学校で

    「アニオタ保守本流」からチャンネル桜に出演したという話 - 法華狼の日記
    crow_henmi
    crow_henmi 2010/08/29
    アニオタ保守反動に名前を変えたほうがいいんじゃないですかね。
  • 『少女革命ウテナ』の演出家座談会で語られた、監督の方針が興味深い - 法華狼の日記

    薔薇物語 「デュエリストは踊る。」 錦織博×橋カツヨ×風山十五 座談会 風山:監督が、みんなに与えるヒントがよかったなという気はしますよね。 ――ヒントですか? 風山:僕がよく言われたのは「道徳的なことをなるべくしたくない」という事だったんです。世間一般でいうところの良識というのを排除したいと。だから、ある程度、自分の理性を殺してやらなくてはいけなかった。 しかし出来上がった『少女革命ウテナ』は、コアなフェミニストからも評価されるような、政治的な正しさを読み込める作品になった。逆に考えると「道徳的」「世間一般」「良識」というものが、いかに政治的に正しくないものであるか、ということに通じる。 あるいは、出崎統監督や、近年のクリント・イーストウッド監督作品が娯楽映画をつきつめることで娯楽の限界や問題まで内容に取り込み、結果として政治的な正しさをも獲得するようなことにも通じているかもしれない。

    『少女革命ウテナ』の演出家座談会で語られた、監督の方針が興味深い - 法華狼の日記
  • 『サマーウォーズ』で最も不要なキャラクターは誰か - 法華狼の日記

    確信している答えがある。描写量が多くて、制作リソースも消費しながら、よく考えると映画の展開にさほど寄与していない少年。 そう、『サマーウォーズ』にいらない子はカズマだ。 ほとんど葛藤がなく巻き込まれるばかりの主人公。映画の中で最も葛藤と抑圧が集中する侘助。2人の間で関係性を取り持ちつつ敵を追いつめるヒロイン。 比べてカズマは、他者との関係は師匠くらいであり、存在しなくてもキャラクター相関に影響を与えず、しかし主人公と違って物語が進んでも他者との関係はほとんど変化しない。大家族の中で周囲と距離をとって生活しているが、侘助と違って周囲と反発しているほどではないので、葛藤のドラマはない。敗北による挫折も集団劇の中で流され、勝利しても大勢に影響はなく、見知らぬ者からは応援されるだけであってヒロインのように支援されることはない。 一見すると主人公もドラマにおける必要性が薄いが、観客の疑問を代弁する視

    『サマーウォーズ』で最も不要なキャラクターは誰か - 法華狼の日記
  • 残酷な状況を描くだけでは創作の意味がない - 法華狼の日記

    エントリタイトルのような意味で読んだ。 柴村仁、見下ろす、落語 - 過ぎ去ろうとしない過去 落語を引いているところは、hokusyu氏自身も認めているように余談として切り分けて考える。実のところ私もよく知らない。 どちらかというと、以前にトリアージ論争で言及されていた*1『イリヤの空、UFOの夏』が具体例としてふさわしかったのではないだろうか。 実は柴村仁作品もほとんどわからないので、現実の残酷を描いた物語群について書いたエントリの続きとして、『イリヤの空 UFOの夏』について少し語りたい。 『カンビュセスの籤』を読む - 法華狼の日記 なお、露悪的な残酷こそ現実という考えは、物語の御都合主義を軽減するため不都合な状況も描写しておく技巧に通じるところもあるので否定はしにくい。……なにぶんにも『イリヤの空、UFOの夏』は不都合な展開がわざとらしいほどで、最終巻あたりでは逆に現実味を損なってい

    残酷な状況を描くだけでは創作の意味がない - 法華狼の日記
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