ハノーバーの『メルツバウ』(1933年) メルツバウ(Merzbau)とはドイツ人美術家クルト・シュヴィッタース(Kurt Schwitters, 1887-1948)によって起こされた、ダダに付随する芸術運動。1920年代にドイツのハノーファーより発生した。彼が手がけた立体建築的な作品は日本語では「メルツ建築」とも言う。 第一次大戦以後、ダダイスムの影響は世界的に伝播し、発祥地のニューヨークとチューリッヒから、ヨーロッパ全土へと広がっていった。ドイツにおける主要な人物がクルト・シュビッタースであり、彼は自らの芸術作品を「メルツ(Merz)」という意味のない言葉で呼んだ。メルツの語源は「コメルツバンク」(Kommerzbank)という銀行の名から。 1920年代を通じ、彼は造形した建築的に規模の大きな構成作品を「メルツバウ」(Merzbau)と名付けた。ナチス・ドイツにより破壊を受け、作品