学会でさまざまな発表を聞きながらとった35ページのメモを元に二ヶ月に渡って続けてきた「北米社会哲学学会」報告も、今回でついに最終回。連載を最後まで書き上げたこともそうだけど、二ヶ月後になっても自分が理解でき内容を思い出せるようなメモを書いた自分を褒めてあげたい。ていうか誰か褒めてよ! というのはともかく、今回は「同性婚」をめぐる論争に「トランスジェンダーの結婚」がどう関わるかを取り上げた発表を紹介する。発表者はハンボルト州立大学(カリフォルニア州)哲学部講師の Loren Cannon という人だが、かれはFTMトランスジェンダー当事者でもあり、ハンボルトで女性学を教えているわたしの友人の知り合いだったと後で分かった。 かれが「トランスジェンダーの結婚」として扱う中にはもちろんいろいろなパターンがあるが、パートナーの両方がトランスジェンダーの場合と一方だけがトランスジェンダーである場合がま