ブログには非常に不思議な人々が住んでいて、それはブログに書かれている個人的な出来事をあたかも自分のことのように受け止めてしまう人々で、彼らはまるで作者が自分の10年来の友人であるかのように振る舞い、ひどいときには同情したり心配してくれたりするのである。書き手から見ると、いや、あなたのことは何も知らないのでそんなものは受け取れないと思うのが普通だろう。 こういった親和性、言い換えればフラットさがネットの良いところとノンキに考える人々が大多数な中こういうことを言わせていただくのは大変恐縮なのだが、別にこれは新しいことでもなんでもなく、テレビで特集されている芸能人に親しみを覚え、赤裸々な性体験を語る作家になれなれしく口をきくワンフとさほど変わらない光景であるとは言える。書き手と読み手の間には無限の欠落があり、越えられない壁がある。 むろんそれはどちらが上といういつまでも繰り返される書き手の優位幻