「正論」1月号から。 茂木健一郎の発表。茂木 私は脳科学をやっており、どうしてもグローバリズムと闘わざるを得ない定めにあります。クローバリズムと闘うことは自分の出自、アイデンティティを忘れることではないと考えています。では、私から見て日本的可能性の中心はどこにあるか。それは生命哲学です。私は今後も、自ら発見した視点を発表していきたいと思っています。日本語はもちろん、英語でも発信したいと考えています。出た! 「生命哲学」。 例えば本日の会場である明治神宮ですが、ここは明治大帝が亡くなられたあとに三百六十五種の木を植林して出来、今日では原生林のような風情を見せている。私は代々木から原宿に向かってよく明治神宮の森を歩くのですが、北参道に夏になると「光の川」が出来るのをご存じでしょうか。参道の両側に梢がせり出して、真ん中からちょうど太陽が直接差し込むのです。木漏れ日はありますが、暗いなかを光の川が