大阪地裁の裁判員裁判で先月、被告が発達障害の一つ「アスペルガー症候群」であることを理由に求刑を上回る懲役20年の判決が言い渡されたことについて、日本弁護士連合会は10日、判決を批判する山岸憲司会長名の談話を出した。「発達障害への無理解と偏見がある」とし、評議の中で、裁判員に刑の重さを判断するうえで必要な医学、社会福祉関連の情報が提供されるよう求めた。 判決は、社会で受け皿が用意されておらず、再犯のおそれが強い▽許される限り長く刑務所に収容することが社会秩序維持に役立つ――と指摘。懲役16年の求刑を上回る量刑とした。日弁連は談話で「受け皿が各地に整備されつつある現状を見過ごしている」「刑務所での治療体制は不十分で、長期収容による改善は期待できない」などと指摘した。 この判決に対しては、日本自閉症協会などからも抗議声明が出ている。 関連リンク「無理解と偏見の差別的な判決」 自閉症協会などが