東日本大震災で被災した福島県南相馬市の児童や生徒を石川県七尾市の一般家庭で受け入れる「ホームステイ」事業に、南相馬市からの応募者がいないことが26日わかった。 市民の善意と被災地側の希望がかみ合わないためで、背景には家族が離れて暮らすことへの不安があるようだ。 両市は、2009年に七尾市内で行われた劇団「無名塾」によるロングラン公演に南相馬市の人馬が出演した縁で交流している。 七尾市教育委員会は今年3月22日、南相馬市の小中学生を自宅で受け入れられるホスト家庭を募集し、31世帯が応じた。ホスト家庭には、小学生は1人当たり1か月3万円、中学生は4万円の生活費を補助することも決めた。 しかし、南相馬市側からの応募はゼロ。ホスト家庭に名乗り出た七尾市民の善意は事実上、宙に浮いた状態だ。市教委は、31世帯に対し、「震災の混乱が続いており、ステイの希望者がいない」と文書で説明し、理解を求めた。 七尾