優れたリーダーシップによって部下の離職は減る、という通念がある。しかし、有能な上司ほど部下を活躍させるため、むしろ転職の機会を増やすという現象が示された。本記事から「元社員との絆」の重要性が浮き彫りになる。 「人は会社を辞めるのではなく、悪しき上司の下から去るのだ」という、世間一般の通念がある。 しかし我々の研究では、社員はよい上司からも悪い上司からも、ほぼ同じ割合で去ることが示された(他のリーダーシップ研究でもその証拠は増えつつある)。最近発表した論文(スミタ・ラグラムおよびシャンミン・リュウとの共著)のなかで、我々はその理由を探っている(英語論文)。 はじめに、ある大手多国籍IT企業で700名強の従業員にアンケート調査を実施。リーダーシップ研究で広く使われている、5つの記述への同意度を答えてもらった。たとえば「私は上司との関係をよく把握している」「上司は私の職務上の問題やニーズを理解し