振り返れば奔放でだらしのないどうしようもない人生だった。いよいよ妻からも三行半を突きつけられてしまいそうだ。奔放、だらしないといっても女性関係でもお決まりの男性機能の話でもない。尿漏れのことだ。英訳すると…強いて言えば「ハルンケア」になるのだろうか。 僕の下半身はとびきりだらしがなく、特にお酒を飲んだときや寒いとき、トイレを済ませて出てくるとぽつねんとズボンに染みが出来ている。強いショックを受けたり、綺麗な女性をお見かけしても漏れてしまうことがある。最初は四国くらいだった染みは、長宗我部さんも驚きだね、油断するとアメリカ合衆国くらいまで領土を広げている。 そういう染みを見つけるたびに僕は苦い記憶を再生してしまう。大学生の頃だ。真夏だった。意中の女性とジェットコースターに乗った僕は盛大にチビってしまったのだ。不幸中の幸いは当時お気に入りだった白のスラックスではなくジーンズをはいていたことくら