中国の都市といえば「成長」という言葉がまず頭に浮かぶが、現実はそれよりはるかに複雑だ。確かに、ここ数十年で大都市へ人が流れ込み、農村部の過疎化が進んだのは事実だ。だが、成長の裏で地方都市の縮小というもうひとつの弊害が生まれていることは、見過ごされがちだ。 2016年、中国の都市開発を研究する学術ネットワーク「北京都市実験室」は、2000年から2010年の間に中国の都市の4分の1以上で人口が減少したと発表した。 「話題にもされず、調査もされず、報告もされていません」と、調査を率いた清華大学建築学院の準教授龍瀛(ロン・イン)氏は話す。 この現象に興味をもった写真家、陳榮輝(チェン・ロングイ)氏は、自分の目で確かめるため、2016年の終わりごろから中国東北部を訪れた。最初に向かったのは、中国最北端にある黒竜江省伊春市だった。伊春の冬は厳しく、気温がマイナス30度以下に落ち込むことも珍しくない。陳
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