<反緊縮・反エリートを掲げる「れいわ新選組」は、日本に左派ポピュリズムを根付かせるのか> 7月4日午前10時過ぎ――。参議院議員選挙が公示されたこの日、通勤の混雑が一段落した新宿駅はもう1つのラッシュアワーに見舞われていた。立憲民主党の枝野幸男代表が、躍進を果たした前回17年の衆議院議員選挙と同じ東南口でマイクを握り、西口では共産党の志位和夫党委員長が東京選挙区での議席確保を目指し声を張り上げる。そして午前11時、西口地下では山本太郎率いる政治団体「れいわ新選組」も街頭演説の準備をしていた。カメラの数は既成政党のそれと比べても大差ない。 政治家というより、ロックスター然としたデニムジャケット、白のTシャツ、細身のパンツにスニーカーといういでたちの山本が登場すると、集まった支援者は大きな拍手を送った。 「今の政治は皆さんへの裏切りだ。20年以上続くデフレ、異常ですよ。物価が下がり続け、消費が
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