上野千鶴子(うえの・ちづこ) 東京大学大学院教授。1948年富山県生まれ。京都大学大学院社会学博士課程修了、平安女学院短期大学助教授、シカゴ大学人類学部客員研究員、京都精華大学助教授などを経て、東京大学大学院人文社会系研究科教授。専門は女性学、ジェンダー研究。著書に『家父長制と資本制』『生き延びるための思想』(岩波書店)、『ナショナリズムとジェンダー』(青土社)、『老いる準備』(学陽書房)、『おひとりさまの老後』(法研)『ニーズ中心の福祉社会へ』(中西正司と共編著、医学書院)など多数。 上野:いま地方自治体は、地域でひとり暮らしをしている高齢者の存在をきちんと把握し、民生委員の定期訪問を行うなど、きめ細やかな対応をしています。自分の担当する地域から孤独死が出るのを防ぎたいと思っているからです。かえって同居家族がいると、その対象に入りません。 吉田太一さんという遺品整理屋をされている方のデー