奥州市江刺区の江刺畜産公社(理事長・小沢昌記市長)は17日、国の基準値(1キロ当たり100ベクレル)を超える放射性セシウムが牧草から検出されたとして同区伊手の阿原山牧場での本年度の放牧中止を発表し、同市の全4公共牧場で放牧が不可能になった。県内では計12牧場(約2600頭分)で放牧中止が決定したことになり、検査結果次第でさらに拡大する可能性もある。農家の作業負担増加や風評被害による価格下落で畜産離れが懸念され、県や関係機関は除染対策や放牧先あっせんを急ぐ。 国は2月、牛用飼料の基準値を同100ベクレルに厳格化。これを受け県は県内114公共牧場のうち希望する108牧場で検査を実施。63牧場で結果が判明し、奥州市や一関市など6牧場で基準値を超過した。他に遠野市5牧場と一戸町1牧場が放牧自粛を決めている。 県内屈指のブランド牛産地の奥州市では、繁殖牛を中心に約800頭が放牧できなくなった。 同市