「いまも新疆ウイグル自治区に住む母ときょうだいに連絡を取ろうとしても、電話が通じるのは母だけです。しかも最近は以前より明らかに口数が減り、私が何を聞いても母は『大丈夫よ』と繰り返すのみ。正直なところ、祖国にいる家族の身が心配です」──こう打ち明けるのは、今年8月に来日した英国在住ウイグル人のエンヴァー・トフティ氏(56)。中国国内におけるウイグル人への人権弾圧を世界が問題視する中、トフティ氏は故郷に残した家族の身を案じる毎日を過ごす。 元外科医であるトフティ氏は、中国政府にとって不倶戴天の敵といえる。トフティ氏は1998年、中国が1960年代から秘密裏に新疆ウイグル自治区で行ってきた核実験の被害を告発したことで、1999年、英国への亡命を余儀なくされた。 そんなトフティ氏が開けた次なる「パンドラの箱」が、中国による違法な“臓器狩り”である。以前より中国は、ウイグル人や法輪功の学習者といった
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