シベリア東部のバタガイカ・クレーターは永久凍土の融解によって形成された直径800mの巨大な穴で、現在も拡大しつつある。クレーターの中には何千年も前の落ち葉や草や動物の死体などの有機物がある。(PHOTOGRAPH BY KATIE ORLINSKY, NAT GEO IMAGE COLLECTION) 米国アラスカ州中部のタナナ川沿いに広がるクロトウヒの森。昔、このあたりの地面は固く、氷に覆われていた。だが、温暖化による雨と融雪のため、今では柔らかくぬかるんでいる。 米国地質調査所(USGS)のミリアム・ジョーンズ氏と米コロラド大学北極高山研究所のメリット・ツレツキー所長は、この森で木々が傾き、曲がり、そして倒壊するのを長年にわたり観察してきた。 気温の上昇により北方の永久凍土が融解し、温室効果ガスが発生して、地球温暖化を加速させる可能性があることは何十年も前から知られていた。 けれども、