ISSUE BRIEF 福島第一原発事故と 4 つの事故調査委員会 国立国会図書館 ISSUE BRIEF NUMBER 756(2012. 8.23.) 経済産業調査室・課 東京電力福島第一原子力発電所は、炉心溶融(メルトダウン)と水素爆発を伴 う過酷事故(シビアアクシデント)によって、大量の放射性物質の飛散と汚染水 の海洋流出を引き起こした。この事故を調査し、原因の究明や対応の検証を行い、 さらには事故の背景を分析することは、今後の原子力政策を見直す上で極めて重 要なことである。この目的のため、国会、政府、民間、東電に事故調査委員会が 設置された。本稿は、既に公表されたこれらの 4 つの事故調査報告書の概要をま とめ、主な論点について比較を行う。 4 つの報告書によって、事業者と政府(行政)の事故防止対策、事故対応、防災 対策等に不備、不手際、改善すべき課題が数多く存在していることが明