白波を立てながら、台湾漁船に水を放つ海上保安庁の巡視船艇。 それを避けようと逃げ回る台湾漁船。間に割って入る台湾当局の巡視船――。台湾の漁船団と巡視船の計約50隻が領海侵入した尖閣諸島(沖縄県石垣市)魚釣島沖では25日朝、退去を求める海上保安庁と台湾の巡視船が放水で応酬するなど、一時緊迫した状況となった。 「釣魚台(尖閣諸島の台湾名)は台湾のものだ」。台湾漁船は、尖閣諸島の領有権を訴えるのぼりなどを掲げ、日本の国有化への抗議をアピールしながら、魚釣島を目指して東に進んだ。 一方、30隻を超える巡視船艇を出動させ、異例の対応で臨んだ海保。無線や電光掲示板を使って領海から退去するよう警告を繰り返した。巡視船で漁船団を取り囲みながら、小型の巡視船艇が漁船の船首側に回り込み何度も放水。漁船を護衛するように並走していた台湾の巡視船は、その間に割って入ったり、海保側に放水したりした。