名古屋市と富山市を結び、日本列島をほぼ真っ二つに縦断する国道41号。全長約250キロのこの道沿いから、ノーベル賞受賞者が相次いでいる。かつては出世魚のブリをはじめとする生活物資が運ばれた。業績にあやかって、「現代のお遍路」とする人たちも出ている。 日本人のノーベル賞受賞者は山中伸弥・京都大学教授が今年、医学生理学賞を受賞して19人となった。国内の受賞者ゆかりの地を調べると、意外な事実に突き当たる。名古屋市から岐阜県高山市を通り、富山市を結ぶ全長約250キロの国道41号沿いに偏在しているのだ。 中でも高山から富山の区間は「ノーベル街道」と呼ばれる。かつては富山産のブリが運ばれ、「ブリ街道」と呼ばれた。出世魚にちなんで「出世街道」の名もある。 名古屋市では名古屋大学で野依良治(化学賞)、小林誠(物理学賞)、益川敏英(物理学賞)、下村脩(化学賞)の各氏が輩出した。高山市では白川英樹氏(化学