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  • 日本における精神医療関連法規の歴史1

    1.江戸期以前の精神医療関連法規 桓武天皇の時代(759年)の編纂され、わが国に伝承される最古の医学書とされる最古の医学書とされる「藥經大素」には、牛黄その他の漢方薬の薬効の中に、精神症状に関する記載がある。すなわち、この時代すでに、精神の異常が薬物による治療の対象であるといった考えが中国からわが国に伝来していた。法令中にみられる精神障害者の処遇に関する記述も、古く奈良時代以前にさかのぼるという。山崎 佐は「江戸期前日医事法制の研究」において、奈良時代以前から江戸時代に至る医療に関する法制を詳細に検討し、その中で、精神障害に関する記述にも着目し、それらの記述を原文のまま抜粋した。それによれば、702年に制定された大宝律令には、すでに、精神障害に関する記述がみられるという。大宝律令には、精神の重い障害のある者が犯した犯罪に対しては罪を減じ、その供述を証拠と認めないといった規定があった。この

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