僕は独りである。 妻もいるし、娘もいる。 二人とも心の底から愛している。 でも、独りなのだ。 勘違いされてしまいそうなのだけど、 それは僕が生きるために、 生きることに向き合おうとしてるがゆえに、 独りなのである。 独り思い、迷い、悶として、 その総体としての僕なのだ。 孤独だと感じる時もある。 だけど、それがなければ僕はただの箱でしかない。 君たちを愛すことさえできないだろう。 でも僕は独りであるがゆえに、 君たちを愛している。 内側に独りでしか形づくれないものが、 外側でデコボコな突起となって、 いま君たちのそれと引っかかり合っている。 だからほんとはうすうす感付いている。 君たちもそれぞれ独りなのだということを。 独りは寂しさの最大の単位なのではなく、 誰かと深く関わるための最小の単位なのだ。 伊野 亘輝 写真展「ある光」 5月21日(火)〜26日(日) at ルーニィ 東京都新宿区