『ポケモン』の話にもどそう。 『ルギア爆誕』は脚本家としてはかなり凝った作りをして、疲れたには違いないが、それなりに楽しめた。 しかし、考え込んでしまったことも確かである。 「自分は自分であること、他者とは違うことを認識してこそ、互いに共存できる」というのは、よく子供たちに大人が言う「人種、民族は違うけれども、同じ人間同士なんだから仲よくしましょう」とはニュアンスが違う。 そこに『ポケモン』では、ポケモンという人間とは異種の動物が加わる。 人間と、人間にゲットされたポケモンとは仲がよさそうに見えるが、ゲットされたポケモンは、人間のいいなりになって戦う、いわば奴隷のようなものである。 奴隷だからといって悲惨な生活を送っているとは限らない。歴史を見ると、優秀な奴隷は、普通の平民より大事にされた。優秀な技能を持つ奴隷は、古代では尊敬さえされた。哲学者や科学者に奴隷出身のものも少なくない。 子供向