覇気がないと嘆くことは簡単だ。しかし彼らの多くは不幸にして力を発揮する機会を逃し、また力を発揮する機会の到来を待っている。それを引き出すのは上司の仕事だ。 某大企業のエリート社員A君、先日筆者に向かって神妙に呟いたものだ、「覇気のない社員の気持が分かった」「能力のない上司が出来上がる過程も目の前に見た」と。 若い頃から常に前向き思考で積極的でエネルギッシュなA君は同期の中でも筆頭株の既に部長職、かねてから社内に見られる覇気のない社員たちを理解できないとして軽蔑し、能力のない上司を努力が足りないと蔑んでいた。そのA君の神妙な呟きの内容はこうだ。 ある時、A君の上司が人事異動で交代した。新任のB事業部長はなぜか総務部という管理部門からの異例中の異例な異動だが、噂によるとトップの指示による異動らしい。新たに開発し、社内で大きな期待を寄せられる新製品の主要な販売先の1つが、企業や官公庁・公共団体の