成熟した楽器市場を主戦場としているヤマハの健闘が光っている。海外売り上げ比率が約7割のため今2016年度は円高も直撃したが、上期(2016年4月~9月)の営業益は前年同期比16.1%増の246億円で着地した。超一流ピアニストがコンクールで使用するような高級アコースティックピアノから一般向けの電子ピアノ、管楽器、さらに音響機器など多展開する総合力が発揮された結果といえよう。 国内のアコースティックピアノにおけるシェアは、ヤマハが約6割、河合楽器製作所が同4割で長らくこの比率は変わっていない。ただ市場は1980年前後の約30万台をピークに縮小を続け、今や2万台を切るまでに縮小した。その穴を埋めたのが電子ピアノで、ヤマハは世界シェアで5割と圧倒的な競争力を誇る。工芸品で生産に手間がかかるアコースティックピアノに比べて、電子ピアノは生産の効率化を図りやすく利益率も高い。単価が低いため売り上げは落ち