二〇一六年に本社機能を首都圏四都県に移した企業は三百十社で、他道府県への転出二百十七社を九十三上回り、六年連続の転入超過となったことが二十一日、帝国データバンクの調査で分かった。転入超過数は比較可能なデータがある一九八一年以降、過去最多だった一五年の百四社に次ぐ多さ。 地方創生を掲げる政府は、減税制度を創設して企業に地方移転を促しているが、なお東京一極集中に歯止めがかかっていない状況だ。四都県は東京、埼玉、千葉、神奈川。
六年前の東京電力福島第一原発事故を機に、県内の放射能汚染の現状を確かめようと各地の公園で空間線量の測定をボランティアで続けている夫婦がいる。深谷市で学習塾を営む小泉誠さん(63)と妻の清美さん(63)。この三年間、県内六十三市町村の三百公園を回った。大半は安全な状態を確認したが、二十三の公園で局所的に環境省が除染の目安としている毎時〇・二三マイクロシーベルトを超える「ホットスポット」を約三十カ所発見し、自治体に通報。十九の公園で施設管理者が除染対応する「成果」を挙げたという。 (花井勝規) 今月上旬、熊谷市北東部にある熊谷スポーツ文化公園の一角。ローラースケート場など多目的広場として使われている場所で、空間線量計を持って歩いていた小泉さんの表情が突然、険しくなった。
東京電力福島第一原発事故で避難区域外から自主避難した人たちへの住宅の無償提供を、福島県が来年三月で打ち切るとしている問題で、自主避難者らでつくる四団体が四日、福島市内で集会を開いた。首都圏をはじめ各地から約百二十人が参加し、無償提供の継続を訴えた。 福島県郡山市から川崎市に自主避難する松本徳子さん(54)は「避難をして間違ってないと思ってきたが、福島に来ると切なくなる」と複雑な胸中を明かしつつ「みんなと避難の権利を求めていきたい」と話した。いわき市から都内に自主避難する鴨下祐也さん(48)は、福島から避難する子どもへのいじめ問題に触れ「提供打ち切りは転校を伴い、新たないじめをつくることになる」と懸念した。
東京湾に注ぐ主要河川の河口部で、本紙が独自に堆積物を採取し放射性セシウム濃度を調べたところ、東京電力福島第一原発事故から五年半がたっても、川で運ばれてきたセシウムが新たに蓄積され、濃度はあまり低下していないことが分かった。調査は三回目。海水魚はセシウムを取り込んでも排出するため、影響は限られるとみられるが、継続的な監視は必要だ。 (原発取材班) 採取は九月十六と十七の両日、関東学院大の鎌田素之(もとゆき)准教授(環境工学)や学生二人の協力を得て実施。鶴見川、多摩川、隅田川、荒川、旧江戸川、花見川の六河川の河口で、二種類の採泥器を使い、海底の表層のほか、海底下四十センチまでの堆積物も採取した。 最も高い濃度を検出したのは、印旛沼(千葉県)につながる花見川(同)。一キログラム当たり四五二~七八九ベクレルと、他の河口より突出して高かった。基準値はないものの、原発で使ったコンクリートや金属を再利用
東京電力福島第一原発事故後に、県内で捕獲された野生のツキノワグマやカモシカの一部で腎臓に高濃度の放射性セシウムが蓄積している実態が、県食肉衛生検査所(玉村町)と県立自然史博物館(富岡市)の共同研究で分かった。県内では事故後からツキノワグマやイノシシなど野生鳥獣4種類の出荷制限が続くが、依然として解除に至らない背景や原因を考える上で注目される。 (菅原洋)
流山市は昨年春に開校した市初の小中併設校「おおたかの森小・中学校」(同市市野谷)について、2018年春に「想定外」の校舎増築をする。つくばエクスプレス(TX)沿線でのマンション建設などで子育て世帯を中心にした急激な人口増で、教室不足が見込まれるためだ。今春の保育園待機児童は146人と県内3番目の多さ。想定外の人口増に市は対応を迫られている。 (飯田克志) 同校は、TXと東武野田線の「流山おおたかの森駅」から約一キロの距離にあり、オオタカの生息する「市野谷の森」に隣接。三階建てで普通教室三十六室、特別教室十四室などがある。自然の風を生かす「風のみち」や中庭を配置して冷房設備は設けず、図書館などの公共施設も併設している。総事業費は設計を含め約百三十九億円。「風のみち」などのデザインや機能から、今年の日本建築学会賞に選ばれた。
白井市の市立桜台中学校敷地内で、国の除染基準値(毎時〇・二三マイクロシーベルト)を大きく上回る放射線量を観測した問題を受け、市は甲状腺エコー検査を希望する児童生徒らの負担費用の助成に乗り出す。市議からの要望に対し回答した。 六月に同中学校内にある桜台学童保育所近くの草地で、最高四・一四マイクロシーベルトの線量を記録した。市が除染作業に当たり、線量は基準値を下回ったという。 議長を除く市議十九人が対策として▽ほかの高線量地の有無の確認▽子どもの健康調査への助成-などを伊沢史夫市長に要望。市は回答で甲状腺エコー検査費用の助成と、小中学校や幼保育園の雨どいや側溝などを放射線量測定の定期観測地点に追加することを明らかにした。
内閣府が八日発表した六月の景気ウオッチャー調査は、街角の景況感を示す現状判断指数(DI)が前月比一・八ポイント悪化の四一・二となり、安倍政権による経済政策・アベノミクス前の二〇一二年十一月(四〇・〇)以来の水準に低下した。アベノミクスが始まってから三年半。株価などは改善している一方で、家計の状況を示す指標の多くは「アベノミクス前」に逆戻りしている。 (白山泉) 同調査は小売りや外食など景気に敏感な業種の関係者、約二千人に景況を聞いている。指数悪化は三カ月連続。賃金が伸びない中で円高株安による不安が、小売りや宿泊業の景況感を冷え込ませた。基調判断は「弱さがみられる」と四カ月連続で据え置いた。
東京電力福島第一原発事故による首都圏への放射能汚染問題で、本紙は昨年に続き、茨城、千葉両県にまたがる水郷地帯の状況を独自に調査した。前回と比べ放射性セシウム濃度の上下はあるものの、手賀沼(千葉県)や牛久沼(茨城県)の汚染は高止まりの状況。印旛沼(千葉県)から花見川河口(同)へとたどったところ、沼から川、東京湾へと汚染が拡散している状況が分かった。 (山川剛史、荒井六貴) 調査は今年一月、水郷一帯の沼や川計二十四カ所で採泥器を用いて底の堆積物を採取。合わせて河川敷など採取地近くの土も採取した。乾燥させ落ち葉などを取り除き、樹脂容器に詰め、それぞれ八時間かけてセシウム濃度を測定した。
国際金融経済分析会合の第3回会合であいさつする安倍首相(左)。右はポール・クルーグマン名誉教授=22日、首相官邸で 政府は二十二日、世界経済について有識者と意見交換する国際金融経済分析会合の第三回会合を首相官邸で開いた。講師を務めたノーベル経済学賞受賞者のポール・クルーグマン米プリンストン大名誉教授は「まだ日本はデフレという環境から脱却するロケットのスピードになっていない。消費税率のアップは今やるべきではない」と、来年四月の消費税率10%への引き上げに反対を唱えた。(関口克己) クルーグマン氏が会合後、記者団に説明した。現在の経済状況については「世界経済は弱さがまん延している。日本だけでなく、他の国もそうであることが日本の状況をより難しくしている」と述べた。安倍晋三首相は二〇一四年十一月に増税延期を決めた直前、クルーグマン氏と官邸で面談し「(首相の経済政策)アベノミクスを支持する。しかし、
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