レモンの成分に脂肪肝を抑える働きがあるのを、三重大大学院医学系研究科の田中利男教授(63)らのグループが発見し、29日に発表した。15日付の英科学誌「サイエンティフィック・リポーツ」電子版に掲載された。 飲料大手のポッカサッポロフード&ビバレッジ(名古屋市)との共同研究。地中海料理を好むイタリア、スペイン人らに、ほかの西洋人に比べて心筋梗塞(こうそく)や脳卒中などの循環器疾患の発症が少ないことに注目し、地中海料理に多く使われるレモンとの関係を調べた。 まず、淡水魚のゼブラフィッシュに高脂肪食とともに、レモンの果汁や皮に含まれるポリフェノール成分「エリオシトリン」を与えた。えさに1%入れると血中の中性脂肪の濃度が、高脂肪食を与えなかった場合と同じくらいまで抑えられた。ヒトの肝細胞を培養して脂質を加えた実験でも、同様に脂肪の蓄積を抑える効果があった。